院長ブログ・整形外科コラム

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整形外科コラム

2022年11月29日

爪下血腫とは?

誤って指をドアで挟んだことはありますか?

指をドアで挟んでしまったとき、指先がとても痛くなりますよね。

特に、爪のみならず爪の周囲にも傷があることがあります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK482508/より引用。

 

上の写真のように爪の下が暗紫色になった場合は、爪の下に血が溜まっています。

強い痛みを感じることが多いです。

このような状態を爪下血腫(「そうかけっしゅ」と読みます)と言います。

「扉に指を挟む」以外にも「金槌で指を叩く」、「重い物を足の上に落とす」といったことでも生じます。

Bonisteel PS: Practice tips. Trephining subungual hematomas. Can Fam Physician 54:693, 2008. より引用。

 

ほとんどの爪下血腫は上の写真のように爪に注射針で小さな穴をあけて溜まった血を爪の外側に排出するようにすると痛みは改善します。

https://aneskey.com/subungual-hematoma-2/ より引用。

 

上の図の様に加熱したクリップを用いて爪の下に溜まった血を排出することが出来ます。

Kee C, Massey P. Phalanx Fracture. 2022 . In: StatPearls.  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK545182/ より引用。

 

爪下血腫は、上のレントゲン写真のように爪の下にある末節骨の骨折を合併することもあります。

 

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/mallet_finger.htmlより転載。

 

また、第一関節の動きが悪いときは伸筋腱が切れている可能性もあります(マレット変形・槌指といいます)。

 

指先をドアで挟んだ後に指の痛みが続く場合や指の第一関節の動きが悪いときはぜひ整形外科を受診して骨折の有無や腱の断裂の有無を確認してください。

手術が必要な場合もあります。

 



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