2022年9月9日
こんにちは。
転倒して身動きが取れなくなったりして救急車を呼ぶ経験をされたことはありますか?
転倒して救急車を呼ぶほどの状態になるのはどこで生じることが多いのでしょうか?
駅やスーパー、公園などでしょうか?
東京消防庁のホームページ(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/nichijou/kkhansoudeta.html)には救急搬送データからみる高齢者の事故~日常生活での高齢者の事故を防ぐために~というページがあります。
そこには2020年に東京都で65歳以上の高齢者で救急搬送された方のデータが詳しく載っています。
2020年には転倒後に55183人の高齢者が救急搬送されたそうです。
このホームページには高齢者がどこで転倒したかについても記載されています。
高齢者の「ころぶ」の発生場所(東京消防庁のホームページより転載)
それによると、救急搬送された高齢者、約55000人のうち約32800人の方が住居で転倒されています。
その次に転倒する場所で多いのが道路・交通施設となっています。
住宅等居住場所における高齢者の「ころぶ」事故発生場所上位5つ(東京消防庁ほホームページより転載)
高齢者の「ころぶ」事故発生場所上位5つの表によると、転倒後に救急搬送された高齢者の半数以上の約22500人が居室・寝室で転倒されています。
普段生活している自宅で、中でも玄関、廊下、トイレよりもリビングや寝室での転倒が要注意です。
では、転倒後に身動きが取れなくなり救急車を呼ぶような怪我はどのような怪我なのでしょうか?
東京消防庁のホームページにはその原因までは記載されていませんが、大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折(太ももの骨の骨折)、胸腰椎圧迫骨折(背骨の骨折)の可能性が高いと思います。
大腿骨の近位部の骨折: 痛みが強くて受傷直後から身動きが取れなくなることが多い骨折です
腰椎圧迫骨折: 痛みに個人差があり痛みを強く感じない方もおられますが、痛みで身動きが取れなくなる方もおられます
一般病院の救急外来では、自宅にいるときに転倒し、痛みが強く身動きがとれなくなってしまい救急搬送されるという方が非常に多いです。
家の寝室やリビングで転倒して骨が折れるような場合、ほとんどの方は骨粗鬆症になっています。
骨折は突然やってきます。
自覚症状がなくてもいつの間にか骨がもろくて折れやすい状態、つまり骨粗鬆症になっているかもしれません。
自宅の寝室やリビングでくつろいでいるときに骨折は突然やってきます。
骨折→救急搬送→緊急入院→手術となることもよくあります。
骨が折れたときの痛みも相当つらいですが、骨折後に日常生活に戻るためのリハビリも結構大変です。
そうならないように骨折が生じる前に骨を丈夫にする治療も可能です。
背中が丸くなったり、若い頃と比較して身長が縮んでいたり、背中や腰の痛みが続いている方は骨がもろくなっている可能性があります。
転倒して骨折が生じる前にぜひ一度整形外科を受診してみてください。