2023年9月6日
「希少がん」についてご存知でしょうか?
希少がん医療・支援のあり方に関する検討会報告書 2015年8月25日では(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou_355962.html)
①概ね発生率人口10万人あたり6例未満
②数が少ないため診療・受療上の課題が他のがん種に比べて大きい
と規定されています。
「整形外科」と「希少がん」はあまり関係なさそうですが、実は関係があります。
「骨」や筋肉、脂肪などの「軟部組織」から生じる悪性腫瘍を「肉腫」と呼びますが、「肉腫」は「希少がん」になります。
軟部肉腫の10万人当たりの発生人数(1992~2020年)https://seer.cancer.gov/statfacts/html/soft.html
アメリカの報告では軟部肉腫の発生数は10万人当たり3.2人です。
骨の悪性腫瘍の10万人当たりの発生人数(1992~2020年) https://seer.cancer.gov/statfacts/html/bones.html
骨の悪性腫瘍の発生数は10万人当たり1.0人です。
このように骨や軟部組織から生じた悪性腫瘍「肉腫」は人口10万人あたり6例未満であり「希少がん」になります。
「希少がん」は一つ一つの疾患は非常にまれで、患者さんの数も少ないです。
しかしながら希少がん患者数をまとめると日本ではがん全体の約15%程度を占めるため決して稀ではありません。
主ながんの推定罹患率 https://kishougan.jp/
では、骨や軟部組織から生じた悪性腫瘍「肉腫」はどのような症状で気づかれることが多いでしょうか?
骨の場合は「痛み」です。週単位で痛みがひどくなります。
病気になっていることを気づかずに放置すると骨折をすることがあります。
軟部組織の場合は「しこり」です。
痛みは伴わないことが多く、気づいたら10㎝以上の大きさになっていることもあります。
骨の場合は週単位で増大する「痛み」が持続している時、軟部組織の場合は「無痛性の腫瘤」でも要注意です。
骨や軟部組織から生じる悪性腫瘍は一般の健診では見つからないことも多いです。
気になる自覚症状がある場合は整形外科を受診しましょう。