院長ブログ・整形外科コラム

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整形外科コラム

2022年9月15日

第7回川西市整形外科医会学術講演会で講演しました

こんにちは。

 

2022年9月10日土曜日に伊丹シティホテルで開催された第7回川西市整形外科医会学術講演会で30分、特別講演を担当しました。

30分の発表時間を頂いたので、「一般整形外科外来での骨腫瘍疾患の診断のピットフォール」 という演題名で講演しました。

骨腫瘍とは骨に生じた「できもの」のことです。

整形外科外来では骨のレントゲン撮影を行う機会はよくあります。

 

中にはけがをしてレントゲン撮影をしたら偶然、別の骨に腫瘍(できもの)が見つかることがあります。

例えば、右膝を打撲した後に痛みが続いているのでレントゲン撮影をしたら偶然反対側の左膝の骨に腫瘍(できもの)が見つかった、というような経過です。

 

軽微な外傷、例えばバスに乗ろうとして少し走った時、あるいは椅子から立ち上がった時など特に転倒もしていないのに突然太ももに痛みが生じて動けなくなり、病院に救急搬送され調べてみたらレントゲン撮影にて大腿骨の骨折と診断される方が時々おられます。

転倒もしていないのに骨がなぜ突然折れたかを詳しく調べたところ、骨に出来た腫瘍(できもの)によって骨がいつのまにか溶けて弱くなり、その結果大腿骨が突然折れたということが後で判明することもあります(大腿骨の骨折後に骨腫瘍が見つかる患者さんは数としてはそれほど多くはありません)。

 

ではどのような症状の経過で骨腫瘍が見つかる方が多いのでしょうか?

痛みが続いているのでレントゲン撮影をしたら骨の腫瘍が見つかった、あるいは硬い骨のような腫瘤が触れるようになったのでレントゲン撮影をしたら骨の腫瘍が見つかった、などという経過の方が多いです。

 

ちなみに、骨腫瘍が専門以外の整形外科医(大部分の整形外科医)が骨腫瘍を見つけた場合、比較的患者さんの数が多い外骨腫や内軟骨腫といった一部の疾患はレントゲン画像である程度診断は可能です。

しかしながらそれ以外の骨腫瘍の場合は診断及び治療に専門的な知識を要することも多く診断に迷う場合は骨・軟部腫瘍を専門にしている整形外医への紹介が基本です。

 

日本整形外科学会のホームページに認定骨・軟部腫瘍医の名簿が記載されています。

https://www.joa.or.jp/public/speciality_search/bone.html

骨に腫瘍の存在を指摘されたが診断が微妙な場合や詳しく病気について知りたい方はぜひ骨・軟部腫瘍を専門にしている整形外科医を訪ねてみてください。

 

私も認定骨・軟部腫瘍医の資格を有していますがホームページに私の名前の記載を依頼するのを失念していました。

 

話がそれましたが、先日の講演では過去に経験した患者さんから学んだことを会員の先生方に紹介してみました。

骨の腫瘍については機会を見てまた紹介できたらと思います。

 

今回は、会長の原田リウマチ科・整形外科医院長の原田一孝先生、座長のこたけ整形外科クリニックの小竹俊郎先生にこのような発表の機会を与えていただき本当にありがとうございました。

 

 



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